欠損フェチの俺が義手のM女とSM
「義手で縋った手はどれも偽手だった」
と、語るのが印象的だった右腕のないM女、ユリ。彼女との出会いはSM愛好者が集うコミュニティサイトだった。

“私には右腕がありません。それでも奴隷としてお傍に置いていただける方はいませんか?”
というユリのメッセージに俺は飛びついた。何を隠そう、俺は無類の欠損フェチだった。
あるべきものがないアンバランスさや、欠損した部分を必死に補うような体の動きや仕草に性的興奮を覚えるのだ。
といっても、日常生活でなかなかそういった女性と出会う機会はない。だから普段は創作漫画やだるま系のAVを見て性欲を満たしていたし、リアルでは女性の手足を包帯で拘束しての疑似欠損プレイを楽しむ程度に留めていた。
けれど実際にこうして“私には右腕がありません”という女が現れたわけで、この絶好のチャンスを逃す手はなかった。
“私のような体の女でも本当に大丈夫ですか?”
レスポンスは予想より早かった。ものの5分程度で返事がやってきて俺は驚いた。今思えば絶妙のタイミングだったのだろう。もう他の男性と話が進んでいて返事さえもらえない可能性もあっただけに俺は心の底から喜んだ。
“大丈夫も何もむしろ大歓迎”
と、俺は欠損フェチである事も同時に伝えた。
それがよかったのだろうか、ユリとの話はトントン拍子に進んでいった。
初対面は初めてのメッセージのやりとりから約一週間後。待ち合わせ場所に指定したとある駅の改札口にやってきたのはどこにでもいるごく普通の20代の女の子だった。
事前のメッセージでは確かに右手がないと言っていたはずなのに、長袖のニットからはきちんとソレは存在していた。
嘘だったのか、はたまた別人なのか。困惑したけれど、その謎は間もなく解けた。
立ち話も何だから、とカフェへ移動する。コーヒーを注文してテーブルへ座るとユリは自身の右手に触れながら口を開いた。
「本物そっくりでしょう?」
オーダーメイドで作ってもらったんです、と小さく笑う。右手を見る俺の視線と疑問を察しての事だったようだ。
そしてこれをきっかけに彼女の身の上話を聞く事となった。
ユリは生まれつき右腕がなかったようだ。そして本当の親の顔も知らないうちから児童養護施設で育ったらしい。
右手が欠損した子供なんて育てる自信がない、あるいは必要ない、そんな理由で実の親に捨てられたのだろうと想像するのは容易かった。
初めて聞いた俺でさえ簡単に想像出来てしまうのだから、本人はもっと切実に感じていたのだろう。自分は必要とされていない人間だという意識が誰よりも強いのだという。けれどそれでも誰かに必要とされたいから、“女”を差し出す事で必要とされる歓びを得ていたのだという。
高校を卒業してからは障害者枠で一般企業に勤めつつ、夜は風俗でアルバイトもしていたらしい。そういうお店ならこんな自分でも少しは誰かに必要としてもらえるから、というのが理由だそうだ。
意外にもユリはそこで体に欠損のある女の需要は高い事を知った。俺のような欠損フェチは珍しくないらしい。
多くの指名をもらえた事で、自分は必要とされている事を実感して自信にも繋がったのだという。
ただ、その自信は長くは続かなかったようだ。
右腕が欠損した自分でも必要とされているという自信から、初めて自分の意志で付き合いたいと思える彼氏が出来たらしい。
それまでは言い寄られるがままに流されて、最終的に飽きて捨てられるのがお決まりのパターンだったそうだ。それでもその一時だけでも必要としてもらえていたならそれでも構わなかったらしいから、本人にとっては大きな進歩だと思ったようだ。
けれどその彼氏はユリの事など本気で好いてはいなかったらしい。右腕以外の見てくれは悪くないし、何より風俗で働いていたから年相応以上のお金は持っている。自分に対して好意を寄せているのは分かっているから優しくしておけば財布兼性処理便器として使える、くらいに考えていたのだろう。
ある日、些細な事でケンカになった際、彼の口から本音が漏れたのだという。
“金と体が目当てだ、お前みたいな女と本気で付き合うわけがない”
ここまで露骨ではなかったようだが、これに近い事を言われたらしい。そしてユリは目が覚めた。
あくまで供給が極めて少ないから風俗で多くの指名をもらえるのであって、そしてそれが遊びの関係だから成り立つのであって、世間一般的には体が欠損した女と本気で恋愛をしたいと思ってくれる男なんていないのだと身をもって悟ったのだという。
「義手で縋った手はどれも偽手だった」
ユリは自虐的に呟いた。そして続けた。
「私は本来必要のない人間だから弄ばれるのは仕方ない。だけどせめて私の体を受け入れてくれる人に必要とされたいの。奴隷でいいから…」
こういった理由でSMのコミュニティサイトにいたら欠損フェチの俺からメッセージが来て、この人なら…と思ったのだそうだ。
ちなみに風俗は、指名をもらってちやほやされる事で自分は必要とされている人間だとまた勘違いしてしまうといけないから辞めたとの事だった。
ユリからの聞き伝えなので“らしい”とか“ようだ”の話ばかりになってしまったが、これがユリの身の上話だ。
一通りユリの話を聞いた後、俺達はカフェを出てラブホへ向かった。
「じゃあ服脱いで」
「はい」
ラブホの部屋に入ると俺は早速裸になるように命じた。ユリは左手だけで器用に服を脱ぎ、間もなく一糸まとわぬ姿となった。
「それも外してよ」
俺は義手を指さした。義手を着けたままなんて欠損フェチの俺からしたらパンツを穿いたままプレイするのと同じだ。
ユリは頷くと素直に義手を外していく。いよいよ念願の欠損部分が見られるのだ。俺はワクワクした。
腕がない。正確には肩から十数センチ程度の腕状の突起が飛び出ているだけでそこから先が欠損している。
細い両脚とその付け根に茂る陰毛。女性らしい丸みのある尻にウエストは程よくくびれ、Dカップはありそうな胸には薄桃色の乳首。そしてしなやかに伸びる左腕、と、ここまでは完璧な女体なのに、右腕だけはただ十数センチの肉塊がくっついているだけといういびつさに、俺の胸は高鳴った。
「動かしてみてよ」
と言うと、前後に跳ねるような動きをする右腕。ピョコピョコという擬音がピッタリと当てはまるようなその動きが不自由な印象をより引き立たせて、俺は興奮を覚えた。
「ねぇ、舐めて」
ユリのアンバランスな裸体を見て俺のチンコは早々に反応した。この不自由な体で奉仕をさせてやりたい。そんな欲望を満たすべく、俺はまず舐め奉仕を命じた。
ユリは躊躇いなく俺のチンコを咥えた。そして左手を添え、口を動かす。
「左手は使うなよ」
自由に動かせる左手を使っての奉仕なんてつまらない。左手に制限をかけると、ユリは口だけで奉仕を始めた。
風俗で働いていただけあって舌遣いは上手かったけれど物足りない。どうにか右腕を使わせたかった。
俺はチンコを喉の奥へと突き入れた。
「んぐっ…」
ユリの口から変な声が漏れたけれどお構いなしで口内を蹂躙した。
我慢出来なかったのか、咄嗟に左手で俺の腰を掴み制止を促すユリ。俺は一度腰の動きを止め、チンコを引き抜くとユリの頬を引っぱたいた。
「左手は使うなって言ったよな?」
「ごめんなさい…」
「右腕なら好きに使っていいぞ」
俺はもう一度、ユリの口の中にチンコをねじ込み、乱暴に突き動かした。
ユリは目の端に涙を溜め、苦悶の表情を浮かべながらチンコを咥える。許可した右腕を必死に動かしながら何とか制止を試みる仕草が堪らなく興奮した。
ああ、この右腕の欠損した女は不自由な腕で必死で抗いながらもがいている…
と思うと、興奮は頂点に達した。
「あー…イクぞ、出すぞ…」
俺は衝動のままユリの口内へ射精した。
「次はユリの番だ」
俺はユリをベッドの上へと促した。
「さっきみたいに左手を使わないように封じておかないとな」
欠損した右腕を必死で動かす様が見たい俺としては自由に使える左手が煩わしく感じたので、左足とまとめて拘束テープでグルグルに巻きにし、動きを封じてやった。こうする事で自然と足が開くので、性器が丸見えになるという利点もあった。
左腕を使えないように拘束してから、俺は玩具を手にした。バイブとローター、バイブはだらしなく開いた股の割れ目にねじ込んでやった。
「あっ…ぅん…」
既に濡れていたようでスムーズに入った。同時に吐息混じりに喘ぐ声がいやらしかった。
続いてローターで乳首を刺激してやる。
「あぁっ…はぁ…んっ!」
高い声で喘ぐとあっという間に乳首が硬くなった。
「いやらしい声だな、そんなに気持ちいいのか?」
「はい…」
耳元で囁いてやると自らねだるように胸を突き出し、ローターを欲しがった。
俺は求められるままローターでの愛撫を続けてやった。熱い吐息と喘ぎ声を漏らしながら、ユリの腰が揺れ始める。下半身にももっと刺激が欲しいらしい。
そんなユリの期待に応えるように俺はクリトリスを摘まみ、こねくり回してやる。
「はぁんっ…!イイ…」
ひときわエロい喘ぎ声が響いた。
「何がイイんだ?」
「…クリトリスが気持ちイイです…」
「どうして欲しい?」
「もっと…いじくってください…」
濡れた声で懇願するユリの希望通り、俺は乳首もクリトリスもたっぷりと愛撫してやった。
徐々に腰の揺れが早くなる。もうそろそろイキそうになっているようだ。
そのタイミングで俺は一切の愛撫を止めた。
「続きは自分でしろ」
「えっ…?」
左手は封じているから動かせるのは欠損した右腕だけだ。この状況でどうやって自慰をするのか、見ものだった。
お情けでバイブのスイッチだけは入れてやる。
ユリは戸惑いながら右肩を内側へ入れるような仕草を見せ、右腕の先端で右乳首を擦った。
同時にもどかしそうに腰をくねらせる。バイブの振動に縋るように腰を揺らしながら、不自由な右腕を駆使して乳首を愛撫する姿は情けなく、みっともなく、そして不憫で、俺のフェチズムを大いにくすぐった。
俺が見たかったのはこういった姿だ。
左手も使いたいよな?
でも拘束されて使えなくてもどかしいよな?
欠損した右手での乳首愛撫じゃ満足できないよな?
バイブの振動だけじゃイクにイケなくて辛いよな?
そんなユリの憐れでいじましい姿に堪らなく興奮した。
やがて、ユリもどう頑張ったって一人じゃ満足できない事に気付いたようだった。
ユリの憐れな姿に再び勃起した俺のチンコを見て、目を潤ませながら懇願する。
「本物のオチンチンを恵んでください…!」
「奴隷のくせに図々しいお願いだな」
「ごめんなさい…」
「…俺をその気にさせたら考えてやる」
この女は俺のチンコ欲しさに何をしてくれるのか。嗜虐心がくすぐられた。
ユリは少し考えてから俺の方へとにじり寄ってきた。そして右腕の先で俺のチンコを撫で始める。右腕の先端は硬くて、物理的には何も気持ちよさは感じない。けれど欠損した腕で必死にチンコに縋っていると思うとそれだけで興奮した。
続いてユリの口に俺のチンコが含まれる。生暖かく絡みつく舌の感触は絶妙で、二度目の射精も簡単に出来そうだった。
「もういい」
このまま口内で射精してしまったらさすがに可哀想だ。というか、俺自身が中に挿入したかった。俺はマンコに挿入したバイブを引き抜き、代わりにチンコをねじ込んでやった。
「あぁ…んっ…!」
愉悦の声を上げるユリ。よっぽどチンコが欲しかったようだ。奥まで突き上げてやると、甲高い声で鳴きながら膣圧でチンコを締め付ける。肉壁がピッタリと密着するように絡みつき、最高に気持ち良かった。
普通の女ならこういう時、男の首や背中に腕を回してしがみつくものだけれど、ユリにはその手がない。左手も封じたままだから、俺が腰を突き上げればその反動でユリの体はベッドの上で大きく波打つ。
例えるならまるで安物のダッチワイフを犯しているような気分だ。
普通の男ならこういうのも興ざめする理由になるのかもしれないが、無抵抗のまま犯されるしかない憐れな女を抱いているというシチュエーションに俺はこの上ない興奮を覚えた。
この昂ぶった情欲のまま果ててしまいたい。俺は一心不乱に腰を振り続けた。同時に指でクリトリスを弄ってやると中の締まりがますます良くなる。
「あぁ…イイ…」
「何がイイんだ…?」
「オチンチン…クリも気持ちイイです…」
「あぁ…やだ…もう…ダメ…イキそう…」
「あぁ…ん…イク…イッちゃう…」
「あぁああぁあぁぁぁぁあぁぁぁ…!!!」
ユリの中が激しく締まり、痙攣したかと思うと弛緩した。どうやら本当にイッてしまったようだ。
そして俺ももう限界だった。
「俺もイクぞ…」
「んんっ…」
絶頂の弾みでヌルヌルのグショグショに柔らかくなった膣肉へチンコを夢中で擦り付けながらそのまま達した。射精した瞬間に中が再びキューっと締まるのがいやらしかった。
ユリはベッドに体を委ねながら欠けた右腕を上げた。俺はその腕を手で握り返し、そのままユリの上へ体を重ねた。
一度関係を持てば情も湧くかと思ったけれど、俺にとってユリは自身の性癖を満たしてくれる存在にしかなり得なかった。
ユリの身の上や境遇は可哀想だなとは思うもののだからといって彼女の特別になってやりたいとか、他の男と俺は違う、なんて思いには至らなかった。
俺の手も結局は“偽手”のようだ。
まあ、それでも一時の安らぎになればとこの日、俺はユリを抱き締めて眠った。
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